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Vol.35

「自然に触れる人は幸せ」

ウェルビーイング(幸せ、健康、心と体の良い状態)についての研究には様々なものがありますが、その中に、自然との触れ合いとウェルビーイングの関係に関する研究があります。自然と触れ合う人は幸せ、リラクゼーションよりも公園の散歩の方が幸福度が高まる、部屋から20%くらい緑が見えると幸せ、川の近くに住んでいる人は幸せ、木に抱きつくと心が落ち着く、などなど。また、森のフィトンチッドという化学物質が健康に寄与するという研究もあります。

では、なぜ、自然と触れると人は幸せを感じるのでしょうか?

もともと自然と共に生きてきた長い人類の歴史の中で、自然とともにいると安心で幸せな気持ちになるような特徴が遺伝子に組み込まれているからではないかと思います。人類が生まれたのは20万年前とも、もっと前とも言われています。仮に20万年前としましょう。産業革命により都市化の進展が始まったのは、200数十年前です。日本では明治維新。160年くらい前ですね。200/200,000=1000。つまり、人間がコンクリートとアスファルトに囲まれて暮らすようになったのは、人類の歴史の中のたったの1000分の1。人類の歴史の0.1%です。99.9%は、森の中で暮らしたり、農業をして自然とともに生きたりしていたわけです。

人類の長い歴史の中で、現代的な生活をしている私たちの方が例外で、99.9%は自然とともに生きていたわけです。だから、自然に触れると安心で幸せな気持ちになるのは、先祖の暮らしの記憶がDNAを介して呼び起こされるからなのではないかと思います。

自然好きの人がいます。ハイキング好きや、登山家、キャンプ愛好家、都市農園で畑づくりをしている人、庭いじりが趣味の人。自然好きというのは、スポーツ好きや将棋好きなどと並んで、趣味の一つだと認識されているきらいがありますが、私は、それ以上のものだと思います。自然というのは、単なる趣味的なものではなく、私たちを長年包み込んできた、私たちの母なのです。

都会にいると、人類が世界を支配しているような気持ちになります。しかし、大自然に触れてみると、その巨大な力に圧倒されます。人類は確かに大地の多くの部分をコンクリートとアスファルトで覆い尽くしてしまいましたが、私たちは今でも自然の一部に過ぎないのです。

自然に触れる人は、幸せです。海でも、森でも。週末に、ホリデーシーズンに、自然とふれあいに出かけましょう。平日の空き時間に、公園に寄るのもおすすめです。都会にも、たとえば東京ですと皇居の二の丸庭園、新宿御苑、MUFGパークなど、壮大な緑が保存された大きな公園がたくさんあります。

自然に触れて、自然なあなたを思い出してみませんか。
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