HOME教育学部ウェルビーイング学科みんなのWELL-BEING

well-being_banner

Vol.36

「視野の広さと幸せ」

マイケル・バッソらが1996年に行った有名な研究結果を紹介しましょう。まず、図1を見てください。

視野の広さと幸せ1

次に、図2の二つの図を見てください。よろしいでしょうか。

視野の広さと幸せ2

では、図2の(a)と(b)は、どちらが図1に似ていると感じたでしょうか? 直感的でいいので、考えてみてください。
さて、皆さんの答えは、(a)、(b)のどちらでしたか?

以上は、心理学者のバッソらによる視覚についての研究の一部です。実は、(a)と答えた人は、広い視点を持つ人、(b)と答えた人は細部に焦点を当てがちな人だといえまず。なぜなら、(a)は四つの図形から成るという全体的な特徴が、(b)は要素の形が同じであるという部分的な特徴が、図1と一致しているからです。

バッソらは、似たような課題を32個解いてもらって、そのうち広い視点の図をいくつ選んだかをスコアとして記録しました。
同時に、あなたは楽天的ですか・悲観的ですか? 幸福感が高いですか・低いですか? という質問も行ないました。その結果、広い視点の図を選ぶ人は楽観的で、かつ、幸福感の高い人である、という傾向が得られたのです。
要するに、視野の広い傾向のある人は、楽観的で、幸福である可能性が高いということです。直感的に図形がどの図形と似ているかの判断によって視野の広さが測れるというのが面白いですよね。

いずれにせよ、視野の広い人は幸せで楽観的な傾向が高いようなのです。ではどうすれば視野を広げられるのでしょうか?

1つは、悩みに囚われないことや、執着を手放すことではないかと思います。悩んでいたり、執着に囚われたりしている人は、そのことで頭がいっぱいになっていて、視野の狭い状態だと思うからです。マインドフルネスで心を落ち着けることも、過去や未来への囚われから離れて今ここにいられるようになるという意味で、視野を広げることにつながるでしょう。

2つ目には、視野の広い人と接することだと思います。人は、目標が明確であると、成長しやすいことが知られています。よって、視野の広い人と接して、その人のようなあり方を目指すのは悪くない方法だと思います。もちろん、自分とは違うタイプの人を目指しすぎるのは得策ではないでしょう。自分らしさは失わず、視野の広い理想の自分をイメージするのがいいと思います。

3つ目は、いろいろなことを経験することだと思います。私の場合、30歳前後の時に2年間アメリカに留学していたことが、明らかに自分の視野を広げたと実感したのを覚えています。自分とは考えの違う人と会うことも視野を広めますね。ですから、海外に住むことを強くおすすめします。私の場合、妻と出会ったのも留学時でした(笑)。今では世界中の生きとし生けるものを妻と同じくらいに愛したいと思っています。こう思えるのも、妻と出会って視野を広げられたからですね(笑)。感謝です。
大学案内
入試情報
教育
学部
大学院(研究科)
研究科(一覧)
研究
研究所・研究室・センター
学生生活・就職

大学案内

入試情報

教育